細川忠興公ゆかりの茶菓子「薏苡仁糖」(よくいにんとう)が復活し、商品化されました。
背景・課題
肥後はとむぎ会は、八代地域を中心に約6haのハトムギを生産されています。
会長の柳口さんは「加藤清正公が日本で初めてハトムギを栽培したゆかりの地である熊本を一大産地にしたい」との想いから栽培に取り組まれており、生産拡大・認知度向上のため商品開発を模索されていました。
そこで、着目されたのが、細川忠興公が考案したハトムギが主原料の干菓子「薏苡仁糖」(よくいにんとう)でした。
千利休の七哲にも数えられるほど茶道に精通していた忠興公が考案した「薏苡仁糖」(よくいにんとう)は、茶席のお菓子として永らく親しまれていましたが、昭和50年代に姿を消していました。
支援内容
製法確立

昭和50年代に製造が途絶えていたこともあり、詳しい製法は残っていませんでした。そこで、当センターでは残された資料や文献、当時の記憶などを頼りに、製造工程や材料等について試行錯誤を繰り返し、6年の歳月を経て製法を確立しました。
栽培技術確立

ハトムギは県内でほとんど栽培されておらず、栽培技術が確立されていませんでした。そこで、当センターでは、県南広域本部農業普及・振興課と連携しながら、高品質・安定生産に向けて栽培技術の確立に取り組み、熊本版の耕種基準を作成しました。
連携機関
成果等
6年の歳月はかかりましたが、半世紀ぶりに復活することができました。現在は、肥後はとむぎ会で製造し、「肥後八代古銘菓 薏苡仁糖」として八代市の松浜軒(国指定名勝)などで販売されています。
また、細川家及び松井家にも復活を報告し、肥後細川庭園(東京都)のお茶席で供されるなど知名度も高まっています。
事業者の声

「肥後八代古銘菓 薏苡仁糖」はフードバレーアグリビジネスセンターを中心に関係者の皆様のご協力により復活することができました。
薏苡仁(ハトムギ)は、380年前の細川家の古文書の中にも登場するなど、熊本にゆかりの深いものです。
この文化を次の世代に残すためにも会員一同ハトムギの生産及び薏苡仁糖のPRにがんばっていきます。
薏苡仁糖(よくいにんとう)が農林水産省大臣官房長賞を受賞しました!