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くまもと食・農ネットワークリレーコラム【第85回:沢畑 亨委員】

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愛林館
 

   くまもと食・農ネットワーク会員や当サイトをご覧の皆様に、くまもと食・農ネットワーク運営委員の、日頃の地産地消に関する活動や考えをご紹介することで、皆様の更なる地産地消活動への一助にしていただくため、当ネットワークの運営委員や関係者によるリレーコラムを掲載しています。

  第85回目は、水俣市の物産館愛林館館長 沢畑 亨さんです。

愛林館
     愛林館   http://airinkan.org/index.html 

誰か困っとる?

 先日、大手カレー屋がゴミとして捨てたカツが食品として流通するという事件がありました。ゴミを横流しした業者は全くけしからんと思います。

 ゴミを買って食べた消費者は、それは嫌な気分になったでしょう。同情いたします。でも、誰も体調が悪くならなかったようで、そこは不幸中の幸いでした。

 カツを買った消費者からは、「味がおかしい」「ちょっとまずい」「腐っとる」といった苦情は出ていたのでしょうか? 私の知る限り、何もなかったようです。

 ということは、ゴミでも食品の品質としては問題がなかったのでしょうね。今回の横流し業者を応援する気持ちはみじんもありませんが、食べ物を簡単にゴミにしすぎるのではないですか? 節分の恵方巻きだけでなく、コンビニで消費期限内だけど期限が近づいた、という理由で捨てる食品がどれほどあるでしょうか。こういう捨てている食品は、日本国内で年間に600万トンに上ります。もちろん、コンビニだけではなく、工場からもレストランからも家庭からも出ているまだ食べられるモノの合計です。

 今回も、横流ししたモノは弁当の材料になったり、家庭に買われたりしていますが、誰も病気にならなかったのは本当に良かった。でも、ということは、食べ物としてはまだまだ役割を果たせるモノがゴミになってしまったわけで、品質管理の基準が厳しすぎる面もあると思います。

 外国の圧力で、食品の製造日を書くのを止めて、賞味期限や消費期限を書くようになって20年。その結果、賞味期限を1日でも過ぎれば食べられないと勘違いしている消費者が大勢出現しました。賞味期限が保証しているのは、品質を保持しているかどうかであって食べられるかどうかではありません。人類は腐りかけた食べ物を食べて、発酵の技術を身につけて来ました。鼻や舌は、良い匂いやおいしい味という情報を取り入れる器官であり、腐った臭いや変な味という危険情報を取り入れるための器官でもあります。印刷された数字(賞味期限の日付け)に頼り切るのではなくて、自分の肉体も使って、安全な食品を見極めることが大切でありましょう。

 その立場から見れば、今回の事件は、やっぱり食品を簡単に捨てすぎたと思うのです。カレー屋だけではなく、全国のファーストフードやホテルなどの外食産業、コンビニなどの食品流通業も同じでしょう。また、安いモノには安い理由があります。食品を簡単にはゴミにしないような仕組み、安全を見極める能力をもう少し確立する方が幸せな社会になるのではないかと思いました。

 

 


 

 

 

 

                        

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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