ミカンの美味しい季節がやってきました
くまもと食・農ネットワーク会員や当サイトをご覧の皆様に、くまもと食・農ネットワーク運営委員の、日頃の地産地消に関する活動や考えをご紹介することで、皆様の更なる地産地消活動への一助にしていただくため、当ネットワークの運営委員や関係者によるリレーコラムを掲載しています。
第82回目は、玉名市天水町の果樹農家 藤川貴臣さんです。
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県立農大からの研修生黒田君 |
ミカンの美味しい季節がやってきました。
県道1号線を本妙寺からのぼり金峰山を過ぎると通称オレンジロードには芳野から河内、天水、玉東、植木と日本でも有数のミカン地帯が広がります。先人達が築いてきた有明海を望む果樹園には今年もたわわにミカンが実っています。
去る8月25日早朝、16年ぶりに熊本県を直撃した台風15号は目の前の有明海を通過し荒尾市に上陸しました。農業をやっていて自然の猛威の前に人間の無力さをとても強く感じる瞬間です。幸いミカンは深刻な被害を受けませんでしたが、梨や栗などは大変な被害を受けられた方もいるようです。多くの農家では果樹園を分けることでリスク分散していますがそれでも経営に与える影響は少なくありません。
その後天候にも恵まれ、いろんなところで「今年のミカンは美味しいね。」と言っていただきます。消費量が増えミカン全体の評判が上がることは何よりの喜びです。
当たり前のようで当たり前でない。食卓に並ぶ農産物には様々な思いが込められています。
我が家では40年以上前から研修生を受け入れています。期間は1週間から2か月間と様々です。高校生、農大生から社会人、農業者といろいろな人たちが来ます。今年は9月から菊池農業高校、県立農業大学校、北陵高校、熊本農業高校と年明けまで続きます。
最近では研修に来る学生の中で農業後継者の割合がかなり減ってきています。そこで農業の応援団になってもらえるように実習を通して農業を理解してもらいながら農家の想いを伝えています。
急激に食のグローバル化が進んでいく中で食と農、消費者の皆さんと農業者が今まで以上につながることが求められているように感じます。
食農ネットワークを通して安心して食をとれる環境作りをしていきましょう。