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くまもと食・農ネットワークリレーコラム【第66回:藤川委員】

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みかんの花です とってもいい香りですよ
執筆者 :  藤川 貴臣

 くまもと食・農ネットワーク会員や当サイトをご覧の皆様に、くまもと食・農ネットワーク運営委員の、日頃の地産地消に関する活動や考えをご紹介することで、皆様の更なる地産地消活動への一助にしていただくため、当ネットワークの運営委員や関係者によるリレーコラムを掲載しています。
 第66回目は、玉名市天水の果樹農家 藤川貴臣さんです。
 

 

みかんの花です とってもいい香りですよ  

みかんの花です とってもいい香りですよ

 

我が家のみかん畑から有明海を望む

我が家のみかん畑から有明海を望む   

ミカンの花の香りに包まれて思うこと(玉名市天水 藤川貴臣)

 玉名市天水町。東に金峰山系の二の岳、三の岳、西に有明海に囲まれた古くからのミカンの産地は今ミカンの花の香りに包まれています。5月の連休に咲き始め10日ころには満開を迎えます。文豪夏目漱石が訪れミカン山からの眺めを「桃源郷」と呼んだ小説「草枕」の舞台になったところです。
 現在、ミカンの消費量は最盛期の4分の1にまで減り、和歌山、愛媛、静岡に次ぐ産地である熊本県にも大きな影響を与えています。昭和50年代ミカンの消費低迷から抜け出すため産地ではそれまでの大量生産から高品質ミカンの生産に切り替え価格の維持を図っていましたが平成3年オレンジ輸入自由化、平成4年オレンジ果汁輸入自由化により先ずジュース原料(規格外のミカン)価格が暴落し、ミカン価格の下支えを失ってしまい市場価格低迷の長いトンネルに入ってしまいました。現在の市場単価は平成6~8年の単価と同等でミカン景気だった昭和40年代前半の単価には及びません。それに反して消費者の皆さんが一番気にかかる小売り単価は経済成長と共に上昇し近年は特に安定したものとなっています。
 今、大きく変わる国際情勢の中でTPPという波が来る来ないは別にして、日本の農業、食糧自給、国土の保全も含めて生産者だけでなく国を挙げて皆に関心を持ってもらいたいという強い思いを持っています。私はミカン農家として組織に属し大量生産したミカンを計画的に出荷し市場のニーズに合わせたミカン栽培をしてきた経験を持ちますが、消費の低迷や将来の経営に対する不安を解消することはできませんでした。
 もっと農業の現場から情報を発信して知ってもらうこと、そして生産者と消費者の関係を深めていくことが日本の農業が生き残っていくキーワードになると思います。農業の国際化の問題も食という観点から生産者だけの問題でなく消費者も当事者という認識を持ってもらえるような成熟した社会になることが必要だと思います。
 食・農ネットワークがもっと県民に開かれ消費者と生産者だけでなく食に関わるすべての人たちの交流の場になり、お互いを理解しあえる大きな役割を果たす場になることを期待しています。
私はミカンの花の香りに包まれるこの時期が大好きです。ミカンの産地で仲間と共にこれからもミカンを作りつづけていきます。

*参考資料:農林水産省 農業経営統計調査、農林水産統計
 
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