収穫を喜ぶ田辺代表
ファームたなべ専用陳列台(トマトを3種の容器に入れて販売) |
直売所は私の元気活力剤(ファームたなべ代表 田辺正宣)
私は八代のトマト農家である。生協を主体に百貨店や市場と契約栽培している。そして3店舗の直売所でも販売しており、私はその直売所担当である。
朝7時、「八代よかとこ物産館」にトマトを運ぶ。この直売所で毎日80から100パックのトマトを販売する。多い時には200パックを売り、遠方の直売所には宅急便で送る。私には1m四方の陳列台が与えられている。トマトを並べているとお客様が寄って来て、パックの裏と表を見て買い物かごへ。「おはようございます!ありがとうございます!」と笑顔で挨拶。生産者とお客様の対面の場になる。
直売所で販売する品物の価格は自分で決められる。しかし、「値ごろ感」がある。高すぎても、安すぎてもうまく売れない。格別にこだわりのあるトマトなら280円、大衆的なトマトなら200円に。300円にすると多量に売れない。安いなら売れると150円にすると「二級品、まずい」と思われるのか、売れない。
お客様の購買意欲をかきたてながら、気軽に求めやすい価格設定が大事である。
私のトマトの価格は230円である。トマトの価格が高騰してスーパーや百貨店で290円とか350円で販売されていても230円である。直売所は市場の価格変動に左右されてはいけない。いつも同じ価格で安定供給することがポイント。「あの人が作ったトマトはいつも230円、いつもここで売られている」と。
毎日毎日たくさんのお客様が、たくさんのトマトを買ってくださる。年間にすれば数万人のお客様になる。有難いことである。 私のトマト栽培規模は微々たるもの、日本制覇など出来ない。海外輸出など出来ない。大企業から見れば「ままごと的存在」であろう。
しかし、私は今日お買い求めいただいたお客様に、明日またお店に来られるであろうお客様に感謝しながら、明日の営農がある。日々の売り上げは微々数千円、数万円であるが、ちりも積もれば数百万円になる。私の経営で直売所売上げは10%にも満たないが、私の元気活力は直売所から生まれる。
去年の10月から始まったトマト販売は6月まで9ヶ月間の販売、これが毎年の販売パターンである。トマトの旬は今から、旬のトマトは美味しい。