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くまもと食・農ネットワーク運営委員リレーコラム【第54回:髙木委員】

最終更新日:

 

第54回の1
執筆者 :  髙木 悟

 くまもと食・農ネットワーク会員や当サイトをご覧の皆様に、くまもと食・農ネットワーク運営委員の、日頃の地産地消に関する活動や考えをご紹介することで、皆様の更なる地産地消活動への一助にしていただくため、当ネットワークの運営委員によるリレーコラムを掲載しています。
 第54回目は、菊陽町総合交流ターミナル さんふれあ 髙木 悟さんです。
 

 

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第54回の2   

 なんだか近頃「どうしたんだろう?」と思うことが、私は多くなりました。社会、政治、国際問題、天候、習慣などの変化が著しく、特に天候、自然に関しては“大丈夫?”と言いたくなる程激しく変わっている様な気がします。去年7月に発生した「九州北部豪雨」は、短時間の集中豪雨により甚大な被害となりました。被害に遭われた方には、心からお見舞いを申し上げます。
 当店に出荷される生産者の中にも被害に遭われた方がいらっしゃいます。出荷前の“メロン”等の農作物は全滅、畑等には水害により泥、砂が入り復旧にかなりの時間、労力、お金がかかると頭を痛めておられました。今でもまだ復旧出来ていない田畑もあり、前回も書きましたが本当に農業は大変な仕事だと思います。
 農家はそんな自然相手との仕事です。天候や病害虫の発生など思い通りにいかない事が多い中で、農産物を管理し、出荷に備えているものの、一度発生した病害虫は甚だ強く、畑・ハウスからの出荷を止める農家も多いのです。全体的な収穫量が多いと市場価格は安くなり、また少ないと高くなります。農産物価格は出荷してみなければわからない状況ですが、その点直売所・物産館等の出荷場所を数か所持っている農家は価格が安定しています。
 最初の直売所・物産館は小中型店舗が主流でしたが、今では大型店舗のファーマーズマーケットが主流になってきました。農家の高齢化・後継者不足・農家所得低迷・少子化・地産地消の実践などの理由からだと思われます。
 直売所・物産館は、地元で採れた新鮮で安全な農産物を消費者に提供する場、農家が直接価格を決めて農業所得の拡大の場のはずですが、現実は良い方にはなかなか進まないのです。そこには現場での温度差がある様に感じます。段々と最初の考えから離れて行き、生産者はどんどん商売人になり、消費者はどんどん評論家になっていきます。形が悪かったり、虫食いの農産物でも安全ならそれで良いと消費者は言いながらも、現実はやはり見栄えのする物を好みます。二級品でもいいから安く提供して欲しいという問い合わせもありますが、それより切り替えて新しく次の物に取り掛かったが収益も上がると、農産物を畑に打ち込んだ方が早いと生産者は言われます。生活が絡んでくるとどんどん理想から外れて、なかなか前に進まない現実に“どうすればいい”と考えてしまうのです。
 地産地消の定着にはかなりの時間と労力がいり、結果が見えにくいものだと思います。しかし、簡単には壊れない様にしっかり地盤を固めながら、少しずつ前に進めていきたいと考えています。


 

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