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くまもと食・農ネットワーク運営委員リレーコラム【第46回:佐々委員】

最終更新日:
執筆者 :  佐々  良清

 くまもと食・農ネットワーク会員や当サイトをご覧の皆様に、くまもと食・農ネットワーク運営委員の、日頃の地産地消に関する活動や考えをご紹介することで、皆様の更なる地産地消活動への一助にしていただくため、当ネットワークの運営委員によるリレーコラムを掲載しています。
 第46回目は、佐々良清さんです。
 

 

(株)熊本ホテルキャッスル

 

佐々 良清

 

「旬のものを知り、味わう」
 まるで競い合うかのように朝から鳴き出すセミの声、本格的な夏の到来。
幼い頃、両親が畑でキュウリやトマト、西瓜などの野菜を作っていたのを思い出します。その野菜たちが夕げの食卓に並ぶ、まさに自給自足の時代でした。
露地栽培でとれたトマトは甘みが強く、ほのかな酸味とバランスが絶妙でした。不恰好だけどイガイガのない香り豊かなキュウリ、季節毎の野菜で時を知るとでも言うのでしょうか、貧しい時代の贅沢でした。
ハウスで育てられ、一年を通じて提供される不足のない野菜や果物に対して、私は食を生業とする人間として、甚だ疑問に思っている一人であります。季節を問わずいつでも何でも食せる事を贅沢とする昨今、旬の味を知らずに育っている子どもや若者が多くいるのではないでしょうか。母親がその時々の野菜で作ってくれたものを「おふくろの味」というのだと思います。季節毎に「おふくろの味」を楽しめた人は幸せです。食育の一部分でしょう。旨いものを食べると心も身体も元気になります。「旬のものを知り、味わう」原点に戻るのを始めてみませんか。
前回、2月の「地産地消セミナー」で、宮本健真氏がジビエ料理について話されました。収穫時期を狙って食べにくる猪や鹿達、その被害は深刻な問題となっています。猟師さん達は農家を守ろうと懸命に駆除を行っているのですが、始末した獣肉の保存も大変なのです。肉屋さん達の冷蔵庫も満杯で、その獣肉をどのように加工して商品化するかが大きな課題になっているようです。現在も試行錯誤が続けられていますが、一般の家庭の食卓にも並ぶ日がいずれやって来るでしょう。今まで珍味とされた物が気軽に食せるようにしなければなりません。東京、大阪を除いて獣肉を他の県に販売することは難しく、それぞれの県が獣肉の消費に困っているのが現状です。なぜ、一般に普及できないのかを考えなければなりません。獣肉のイメージとして珍味である、調理方法が難しいのではないかという事で食わず嫌いになっているのも事実でしょう。又、獣肉は値段が高く、消費者が一番気にする衛生面のチェック体制は整っているのかという点も挙げられます。販売箇所が不明な事も問題です。これから考えられる事は、サラダ等に添えて食べられるハムのような加工品の開発が一番でしょう。和食、洋食、中華といった料理のジャンルは違えども、鶏肉や豚肉と同じように気軽に食べてもらえるように、研究開発の意味で、料理講習会等を数多く開催して、試食の機会を多く設ける事が肝心だと思います。多くの人の協力が望まれます。

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