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新企画!くまもと食・農ネットワーク運営委員リレーコラム【第3回:坂口真理副代表】

最終更新日:
執筆者 :  坂口真理

くまもと食・農ネットワーク会員や当サイトをご覧の皆様にくまもと食・農ネットワーク運営委員の日頃の地産地消に関する活動や
考えをご紹介することで、皆様の更なる地産地消活動への一助にしていただきたく、この度当ネットワークの運営委員によるリレーコラムを開始しました。
 第3回目は、当ネットワーク副代表の坂口真理さんです。
 

 

   あるJA主催のナス・トマトのほ場見学に行く機会に恵まれましたときのこと 40代~60代の主婦が中心でしたが、ほ場見学は初めてと言われる方がほとんどでした。たぶん私の母の世代では「農業」が身近な存在だったはず。家が農家だったり、近くにニワトリや牛がいるのが当たり前のことでした。しかし、それ以降の年代にとっては、残念ながら農業が遠い存在で、未踏の分野になりつつあります。

 農家の皆さんにお願いします。「農」の現場を消費者にどんどん開放してください。見学会に参加して実感することがたくさんあります。作物は生き物で、工業製品ではありません。自然を相手に農家の方たちが、作物の声を聞きながら 情熱と知恵と労力をかけて農作物を育ててくれています。安全な食べ物を作るには 手間ひまやコストがかかり、農薬が必要な時も当然あります。良質な農作物は高くなります。

   遠路はるばるやってきた青々として、劣化が進まないブロッコリーやグレープフルーツなどの輸入食品と国産品(熊本産)とは明らかに何かが違うはずなのです。その違いをわかりやすく消費者に教えて欲しいのです。消費者は、「農業」について知らないことや見えないことだらけです。熊本県は農業生産高全国7位の農業県で、エコファーマーの認定者数が全国で3位の実力者です。

   身近に素晴らしい教材があるのに、消費者は知らないのです。消費者自ら理解しようという努力も当然必要ですが、農業に携わる人たちの消費者への理解を求める努力も非常に大切です。私たち消費者も近くの物産館や朝市で生産者とふれあい、地元の農林水産物を買ってみましょう。そこでは生産者に直接食材のおいしい食べ方や調理の仕方を聞くこともできます。消費者と生産者が本音で話すことから始めましょう。それぞれの現状が見えれば、理解できることが少しずつ増えてきます。気持ちが理解できれば、意識や行動を変えることが可能となります。

 日本の農業を守り育てるのは、生産者も含めた全ての消費者です。阿蘇の草原や日本有数の棚田の数々、豊富な水源。四季折々の農村の風景は何物にも代えがたいものです。自然の営みに感謝しつつ、生かされていることを生活者全てが意識しつつ行動すれば、食と農の距離は縮まるものと信じています。何よりも子どもたちに安心して、食べられる社会を残していくことが私たち大人の務めなのですから。

 

                 熊本消費者協会 坂口 真理

 

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