くまもとのアグリ&フード地産地消サイトトップへ

くまもと食・農ネットワーク運営委員リレーコラム【第34回:片野 委員】

最終更新日:

 

2011年4月13日(水) 味噌汁を分ける片野教授
執筆者 :  片野 學

くまもと食・農ネットワーク会員や当サイトをご覧の皆様に、くまもと食・農ネットワーク運営委員の、日頃の地産地消に関する活動や考えをご紹介することで、皆様の更なる地産地消活動への一助にしていただくため、当ネットワークの運営委員によるリレーコラムを掲載しています。
第34回は、東海大学農学部応用植物科学科 片野 學 教授です。
 

2011年4月13日(水) 味噌汁を分ける片野教授
2011年4月13日(水) 味噌汁を分ける片野教授

 

2011年4月13日(水) の昼食

2011年4月13日(水) の昼食

『ようこそ!!學ちゃん食堂へ』
               
 2000年9月、協定校交換教員としてタイ王国、モンクット王工科大学の応用昆虫学者、ラタナ博士が3ヶ月間作物学研究室に滞在した。タイでは玄米を食べていたというのである。そこで、玄米が炊ける炊飯器を購入して昼食を共にすることにした。博士の帰国後も、一人で玄米食を続けることにした。
  2005年3月、入学以来、活発に行動していた3年生から、3年次前半から、うつ病のために授業にも出られなくなり、単位取得もままならず、このままでは卒業もおぼつかなくなったために退学することにしたいとの電話連絡があった。食生活などから彼女の不調の要因が「低血糖症」に違いないと判断された。低血糖なら玄米食で治るはずだということになった。退学届けをとりあえず撤回して、私と一緒に玄米を食べることになった。二人で食事準備をするようになり、内容も日々、ゴージャスになっていった。一級下の専攻生の励ましもあり、お蔭で4月からは授業に出られ、夏には卒研着手条件の単位取得も叶い、秋学期からは卒研も始めることが出来た。専攻学生の昼食はといえば、具なしインスタントラーメンやカップ麺など、日野 厚医学博士が1982年に出版した書名『あなたは病気を食べている』を地で行った内容である。
  そこで、二人分作るのも十人分作るのも同じということで、2006年の4月からは専攻生と院生、十人を加えてみんなで調理することになった。食材はすべて私が購入することにし、学生諸君の出費はゼロとした。調理にも磨きがかかり、玄米に雑穀・豆類を加えた十穀・十五穀飯、保存食やお惣菜、糠漬け、具沢山味噌汁はじめ野菜や海藻、きのこ類たっぷりのヘルシーメニューである。玄米を食べてみたいという学生の分まで作ろうということになり、多いときには二十人分を超えることもある。研究室の16アールの水田で実った無農薬・無肥料栽培という超高級な玄米をおいしくいただいている。
  この5年間、学生諸君は私の、玄米食の人体実験の対象でもあった。冷え性、便秘や吹き出物、イライラに困っていた学生やスタミナ不足なども大方、解消されているようだ。
  我々の細胞の原料は水と食べ物であるという厳粛な事実を教えられてきた。東日本大震災と原発破壊による放射能汚染という事態の深刻さに対して、かつて、長崎原爆投下の爆心地から1.8kmの病院に勤務していた秋月辰一郎博士と従業員には原爆症が出なかった。マクロビオティック創始者・桜沢如一から玄米食による食養を学んだ秋月博士は、『その原因を「わかめの味噌汁」であったと私は確信している』と著書『体質と食物 健康への道』の中で記している。現代の大学生にはほとんど無縁の世界である玄米と味噌汁を取り戻してみてはいかがですか。
 

このページに関する
お問い合わせは
(ID:35)

重要なお知らせ

カウントダウン

注目情報

トピックス

熊本県地産地消サイト
熊本県農林水産部流通アグリビジネス課
〒862-8570 熊本市中央区水前寺6丁目18-1
電話:096-333-2424(直通) FAX:096-383-0380

© 2021 Kumamoto Prefecture, © 2010 kumamoto pref.kumamon

このページの先頭へ