Will of Earth and Fire:Takamori Dengaku, Tsurunoko-imo
阿蘇の火山灰が堆積した「黒ボク土」は、本来は農業に不向きな土地でした。
しかし先人たちは、たゆまぬ努力で栽培を続け、この土でしか育たない幻の里芋「つるの子芋」を守り抜いたのです。
「この土地でしか鶴の形にはならない。まさに神様からの贈り物なんです」。
生産者の後藤マサ子さん(88歳)はそう語ります。
高森の土壌で育つと美しい鶴の首のような形になりますが、他の土地では普通の里芋になってしまう宿命の芋。
現在、生産者は10軒余りにまで減り、高齢化という現実に直面していますが、マサ子さんは芋の「形」と「命」という地域の宝を守り続けています。
1960年に発足した高森田楽保存会の原点も、この宝の保護にありました。
芋を守るだけでなく竹串、炭、こんにゃく――高森の食を支えるあらゆる職人の手仕事を絶やさないという意志でした。
そこに寄り添うのが、標高700mの冷涼なかわべ養魚場で「生きた芸術」として育てられたヤマメです。
囲炉裏の炭火でじっくり焼かれ、凝縮された甘みを放つ芋と、清流が育んだヤマメが並びます。
串に刺さった命を味わうとき、あなたは阿蘇の土と火の力強い意志を感じるはずです。