Receiving Life, Carrying It Into the Future – Fukunari
天草の海が育む「食」の物語をたどる4つの物語。
その始まりとなる第1部は、海とともに生き、未来へ命をつなぐ生産者の現場を訪れる。
御所浦の風と、次世代へつなぐ一尾「ふく成」。
天草・御所浦という離島の海に、その「現場」はある。
荒々しい外海と、穏やかな内海。二つの海が隣り合い、
山がすぐ背後に迫るこの土地は、海と陸の距離が極端に近い。
森のミネラルはそのまま海へ注ぎ込み、命の循環をつくってきた。
この海で、ふく成は魚と向き合っている。
自ら育て、魚の状態を見極め、その価値を最大限に引き出して届ける生産者だ。
「こどもたちの未来に食をつなぎ、安心して暮らせる世界をつくりたい」
代表・平尾さんのこの言葉は、理念だけではなく、日々の選択そのものに現れている。
エサは人が食べられるレベルのものを選び、海を汚さないための工夫を積み重ねる。
見えにくい工程にこそ手をかけ、妥協をしない。
「どう育て、どう届けるか」
そのすべては、食卓に並んだ瞬間の笑顔から逆算されている。
余計な手を加えず、素材そのものの力を信じる。
その誠実な営みが、魚に身の張りと澄んだ旨みを宿らせる。
御所浦の海と、育てる人の想いが重なり合って生まれる一尾。
その純粋な命の輝きは、やがて同じ海から生まれる、
「もう一つの結晶」へと物語をつないでいく。