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【vol.24】幾百・幾千もの花の香りが詰まった、天然の「地ハチミツ」

最終更新日:
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村人が自然と共生しながら、ミツバチから“お裾分け”してもらう「千花蜜」    ハチミツ採りの名人 内山 重人さん(五木村)

熊本のおいしい調味料・加工品【ハチミツ】
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     人口わずか約1,000人。清流・川辺川が流れる山あいの村・五木村では、希少な味わいを持つハチミツが販売されています。その名も「千花蜜」(せんかみつ)。これは、養蜂のように人の手によって管理生産されているものではありません。自然の営みの中でミツバチが作りだした蜜を「お裾分けしてもらっている」ハチミツなのだそうです。

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     詳しく話を聞くために、村の“ハチミツ採りの名人”の1人、内山重人さんを訪ねました。 五木村では、昔から村のあちこちに「はちうと」と呼ばれる巣箱を置く慣習があります。そこにミツバチが自然と巣を作るのを待って、村人が食べる分だけのハチミツをいただく、という昔ながらのハチミツ採取を、長年紡いできているのだそうです。

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     「はちうと」は、中をくりぬいた丸太で作られる場合がほとんど。林業が盛んな村なので材料には事欠かず「箱を作るより、丸太をくりぬく方が楽なんですよ」と内山さん。

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     はちうとに巣を作るのは日本に古来から生息する野生の日本ミツバチです。村周辺の豊かな自然の中を飛び回り、いろんな花の蜜を吸ってはちうとへと蜜を集めるのですが、その花の種類は多種多様です。内山さんにそのことを聞くと、「何百種類、何千種類と言っても大げさではなかと思いますよ。だって、このあたりに咲く花、ぜーんぶだけん」とのこと。標高約700mから見渡せる九州山地の山々を指しながら、朗らかに語ります。

  •  一般的に複数の花の蜜が混ざったものを「百花蜜」と呼ぶのですが、この五木村ならではの豊かな自然で育った数多くの花で作られたハチミツの希少性を伝えるべく、もう一つ桁が大きい「千花蜜」と名付けられました。

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     このハチミツの面白いところが、はちうとを置く場所によって集まる花の蜜が変わるため風味も変わるということ。さらに、はちうとを置けばミツバチが必ず来るわけではないので、より日本ミツバチが巣を作りやすい場所に設置できるかどうかは置く人の腕の見せ所です。内山さんの場合は村内に50個前後のはちうとを設定していますが、そのうち、ハチが巣を作ってくれるのは、10個前後なのだそうです。毎年同じ場所に作ってくれるとも限らず、地元のミツバチと会話するかのように、毎年、工夫してはちうとを作り、設置し、ハチが住みやすい環境を丁寧に整えてあげています。


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     巣をつくりやすいはちうと作りに加え、周りの自然環境や日の向き、風通りなど、場所や時期を見極めながら、よりハチが来やすいようはちうとを設置していくのが名人の技です。この村でもう50年もはちうとを置き続けているという内山さんもその豊かな経験を生かし毎年たくさんの蜜を採取しています。 「1つのうとには一升瓶何本分ものハチミツができますが、それを全部取り尽くすことはしません。ミツバチたちが冬を越せるだけの量を残して、半分ほどを分けてもらうんです」と内山さん。

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     採取したハチミツは、物産館で販売している人もいますが、各家庭でつかったり贈り物にする場合がほとんど。しかし五木村で地域おこしに携わる「株式会社日添」の土屋望生さん(写真右)が、この野生の日本ミツバチによる希少なハチミツの価値を広めようと、「千花蜜」として商品化、販売を始めました。五木村で生まれ育った土屋さんだからこそ実現できたことでもあります。「内山さんは金網、さらし、目地の細かい網と3回も手数をかけてハチミツを濾しているそうです。だから内山さんのハチミツはとてもキレイで滑らか。名人技だと思います」と土屋さんが魅力を教えてくれました。

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     この「千花蜜」は、五木村にある「cafeみなもと」やオンラインショップで販売されています。野生の日本ミツバチのハチミツという希少性はもちろん、鼻いっぱいに広がる複雑で繊細な花の香りや、スッキリとしたやさしい甘さと、口にするだけで幸福感を感じられる独自の風味も魅力です。村の人々が、自然の営みに寄り添いながら採取し続ける特別なハチミツ、ぜひ1度口にしてみては? 

  •  株式会社日添 

  • https://hizoe.co.jp/別ウィンドウで開きます(外部リンク)

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