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【vol.23】地元で採れた材料を職人技で丁寧に搾る、風味高い菜種油

最終更新日:
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料理人や食通の人にも愛され続ける、昔ながらの製法の「地あぶら」    有限会社 堀内製油(氷川町)

熊本のおいしい調味料・加工品【食用油】
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     普段の料理に欠かせない油。サラダ油など輸入原料による工場での大量生産品が市場の多くを占める中、昔ながらの製法で手間暇掛けて油を作り続けている製油所が八代郡氷川町にあります。それが「堀内製油」です。同社三代目の堀内貴志さんに、同社の歴史と、ここで搾られる油の魅力について話をお聞きしました。

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     氷川町ののどかな田園の中に工場を構える「堀内製油」。戦後間もない1947(昭和22)年創業で、77年(2024年現在)の歴史を持ちます。初代社長は、戦前戦中は飛行機の設計技師として活躍した人物。戦後、周辺地域では、食糧難を乗り越えるために田を開き、稲作の裏作として菜の花を育てて菜種を採る農家が増えました。初代は飛行機設計で得た技術を生かし、機械を作って周辺農家の搾油を請け負う事業を立ち上げることに。それが、「堀内製油」の始まりです。同社の工場には、何と当時から未だ動き続ける設備も残っており、丁寧にメンテナンスを繰り返しながら使い継いでいるといいます。

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     その後、高度成長期となり、海外の材料で大量に工業生産される安価なサラダ油が流通し始めると、菜種を採る農家も減っていきました。しかし、当時は海外の原料への不安や、工業生産による安全性の問題も起こっていた時代。同社は昔ながらの製法のまま安心安全でおいしい油を作り続けることを決意し、より納得のいく材料で油を搾るために自社農園を開き、材料作りから一貫してこだわり始めました。自社農園で栽培した菜種やえごま、ごま、椿をはじめ、国産を中心に厳選した材料を使った各種油を作っています。

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 では、「堀内製油」が守り続ける昔ながらの製法とは、どのようなものなのでしょうか?

 工業生産などで作られる一般的な油は「抽出法」で作られます。これは、薬品によって材料から油を取り出し精製(脱色・脱臭)を行うことで、効率的に安定した品質の油を製造できる方法です


 一方で同社では「古式圧搾製法」という製法を採っています。これは、焙煎した材料に圧力をギュッとかけて搾る方法です。抽出法よりも手間も時間もかかり、搾れる油の量も多くはありません。その代わり、素材の風味や栄養分がしっかり残った油をつくることができます。

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     無添加で作られ、材料も製法もシンプルな分、作り手の技術の練度が油の品質に直結します。「堀内製油」のこだわりの中でも特に大事なのが、焙煎の具合の調整。これによって抽出後の風味が大きく変わるのです。その日の温度、湿度や材料の状態を見ながら、焙煎の火力や時間を調整していきます。さらに、圧搾する場合の圧力調整も繊細に行います。こうした職人の手作業が、「地あぶら」の高い品質を支えています。

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     さらに、「堀内製油」の油は、原料を1回しか搾らない「一番搾り」です。そのため、より風味豊かな味わいになっているのです。 

  •   加えて、材料となる菜種やごま、えごまは自社農園で作付けから収穫、乾燥まで行っており、採って即座に乾燥させるのも風味豊かな油を絞るためのこだわりの一つです。隅々にまで気持ちが行き届いた製法によって、「堀内製油」の珠玉の油づくりが守られ続けているのです。


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     同社の看板商品は、菜の花の栽培から瓶への充填まで、全てを自社で一貫して行う菜種油「地あぶら」。さらに、ごま油やえごま油、椿油などが揃います。

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     三代目の堀内貴志さんは、大学卒業後、後継者となるために関西の米屋や八百屋、油問屋などで修業した後に家業に就いた経歴の持ち主です。修業先で、フルーツカフェの立ち上げや接客を経験したことで、それまでは卸販売ばかりだった同社の油について、「お客様の反応を見たい」と思うようになったそうです。 「自治体主催のイベントに出店し、昔ながらの油の魅力をお客様に直接伝えることができたのは、大きな経験になりました。百貨店やオーガニック食品店などへの販路も広がりましたし、何よりうちの油が持つ魅力と強みを改めて確認することもできました」と振り返る貴志さん。

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     2017年に創業70周年を迎えた段階でパッケージなどを一新。創業当時のロゴや、初代が書き付けや手紙などに残していた筆跡をそのまま商品ラベルに使い、昔ながらの製法の魅力と味わい深さをビジュアル面でも魅せています。 さらに、「地あぶら」の魅力は全国へも広まり、著名料理人や食通の方の愛用者も増えているそうで、ファンレターが届くこともあるのだとか。

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     そんな同社の「地あぶら」の魅力を最も発揮できるのが、揚げ物だそうです。「特に、衣をつけない『素揚げ』をオススメしたいです。揚げる食材のうま味がしっかり出るので、調味料をつけなくてもおいしくいただけるほどだと思います。個人的には、ナスの素揚げが絶品だと思います」と貴志さん。「地あぶら」は酸化しにくいため、揚げかすをしっかり取り除けば、繰り返しの使用にも強いそうです。 普通の揚げ物でもその力を発揮します。カラッと揚がる上に、揚げた後はべっとりとせず、冷めてもサクサクの風味を楽しめるとか。もちろん、シンプルな炒め物でも何でも、菜種の優しい風味を感じられます。栄養分も豊富で無添加、体に優しい油でもあります。 職人による昔ながらの製法で、搾り上げられた油。丁寧な暮らしのキッチンに、ぜひ1本揃えたい魅力に満ちています。

「堀内製油」

https://horiuchiseiyu.com/別ウィンドウで開きます(外部リンク)



<熊本県産 食材&加工品で一品>

家でできる! 熊本県産のお花の和アレンジ&冬の食材をおいしい料理に!



ミディ胡蝶蘭の和アレンジ

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     ちょっとしたお祝いごとや、お正月などの時季イベントはもちろん、ふだんのインテリアとしても胡蝶蘭を楽しめる、簡単、かわいい和アレンジ。



    【材料】

     ●ミディ胡蝶蘭

     ●苔(ホームセンターなどで手に入ります)

     ●手芸用の糸

     ●水引き

     ●ちりめん花玉

     ●お好みの花器


    【作り方】

     (1) 苔はパックから取り出して、あらかじめ巻き付けやすいように手でほぐしておきます。

     (2)ミディ胡蝶蘭をカップから引き抜き、根の部分をほぐして、円形に優しく形を整えます。

     (3) (2)の根の部分に苔を巻き付けていきます。丸い形になるよう整えながら苔を根に巻いて、その上から糸をくるくる巻いて縛り付け、また苔を巻き付けて…を数回繰り返します。全体的な形を見ながら、苔を足していきます。形が整ったら、糸で輪を作って留め、ハサミで切ります。

     (4)仕上げで丸く整形したら、苔玉の完成です。このまま花器に載せます。

     (5)水引とちりめん花玉を苔に挿して飾り付けます。バランスを見ながらお好みの形にアレンジしましょう。水引きは既製の飾りを使ってもOKです。これで完成!


    POINT

    ●家で飾る際は、苔が乾いたら苔部分に霧吹きで水をあげましょう。もしくはボウル状の花器に入れて水を張っておいてもOKです。

    ●胡蝶蘭以外の植物でもつくることができます。水を好み日陰でも育つ植物が苔玉向きです。


サトイモの味噌お焼き

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  •  サトイモのやさしい甘さに、焦がした味噌とごま油の香ばしい香りがひきたつ一品。少しつぶれずに残ったサトイモの食感もアクセントで、おやつにもおかずにも、酒の肴にも合うおいしさ。味噌の量を少なめにして薄味に作れば、離乳食(後期)にもできます。


     材料(2、3人分)

      サトイモ300g

      ほうれん草 1把

      だし汁(鰹) 大さじ4

      片栗粉 小さじ2

      味噌 大さじ2

      ごま油 大さじ1


     1.塩茹でしたほうれん草を、みじん切りにします。

     2.サトイモの皮を包丁でむきます。サトイモが大きい場合は、火が通りやすいよう小さく切ります。

     3.サトイモを水に入れ、火にかけます。水が沸騰したら蓋を閉め、弱火で柔らかくなるまで茹でます。硬さの目安は、串が通るくらいです。

     4.サトイモが茹であがったら、水気を切ります。熱いうちにジッパー袋に入れ、すりこぎなどで潰します。

     5.ボウルに潰したサトイモ、みじん切りにしたほうれん草、味噌、出汁を入れ、硬さを見ながら少しずつ片栗粉を加えて混ぜます。ジッパー袋に材料を入れ揉むように材料を混ぜ合わせても良いでしょう。

     6.5で混ぜたタネを10等分にし、丸くまとめます

     7.フライパンにごま油を引いて、弱火で表面に焦げ色がつくまで焼いたら完成です。


    POINT

     離乳食後期の子どもも食べられます。ほうれん草の代わりに鰹節やひじき、にんじんなどを入れてもおいしくいただけますよ。

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