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【vol.15】祝いの日も日常も支える、熊本の伝統酒「赤酒」

最終更新日:
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熊本の宝を守り、後世に引き継ぐ老舗酒蔵の使命  瑞鷹株式会社(熊本市)

熊本のおいしい料理酒【本伝 東肥赤酒】

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 1年の始まりに飲む「お屠蘇」。全国的には日本酒を飲む家庭が多い中、熊本ではこの熊本の御國酒「赤酒」が昔から各家庭で飲まれていることは有名な話です。熊本市・川尻にある「瑞鷹」は、慶応3年(1867年)創業の老舗酒蔵であり、この赤酒を現世に受け継いできた熊本の酒業界のキーパーソン的な存在。赤酒の歴史や、後世に受け継ぐための取り組みについて、5世代目の吉村謙太郎さんにお話を伺いました。

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 加藤清正公の入国以来、約300年間熊本の「酒」といえば「赤酒」を指し、肥後細川家(肥後熊本藩)の時代には「御國酒」として保護され、他藩の酒が入ってくることは禁止されていました。しかしながら明治以降、清酒が入ってくると、そのおいしさに魅了され、たちまち人気に。御國酒としての規制もなくなっていたことから、酒蔵の多くが赤酒の製造から清酒に切り替わっていきました。「瑞鷹」は熊本県下でいち早く清酒造りに着手し、その後熊本県産酒の酒質向上の為、清酒製造の研究所「熊本県酒造研究所」を立ち上げ、熊本の酒造りの進化に貢献。その一方、赤酒は一時、消えかけますが「瑞鷹」が「東肥赤酒」として作り続けたことで、その伝統酒は現世でも熊本の味として親しまれているのです。

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 赤酒といえば、美しい赤褐色とあまみのある味わいが特徴。製造工程は、蒸米、酒母、もろみまでは清酒と同じですが、その後、もろみを絞る前に木灰を入れることで酸敗を防ぎ、さらにこの色と味わいが生まれます。

 「木灰は酸を中和し保存性を高める役割があり、平安時代から行われている伝統的な酒造りです。もちろん、木灰はその後搾り出します。この美しさは、もろみの熟成と木灰の効果によって生まれます」と謙太郎さん。

 米、米麹が原料となる造りは共通しているが、清酒の吟醸造りのような繊細さと違い、古来の造りならではの複雑な工程がある赤酒の製法。蔵には古式製法の赤酒や年代物の赤酒もあるというので、酒好きは期待せずにはいられません。

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 さて、熊本で料理酒としても親しまれている赤酒ですが、そのルーツを尋ねると、「日本酒を飲むだけでなく料理にも使うのは、どの地域でも行っていたことなので、熊本ではその酒が赤酒だった…ということだと考えています」。

 その歴史に「瑞鷹」と大阪の料理人のアイデアが重ねられ、さらに料理に適した赤酒も誕生したという。「昭和32年に、大阪の著名な料理人の方が赤酒の調味効果を絶賛してくださったんです。『酸の少ない赤酒はみりんにはない調味効果があるから、糖度を高めて料理用の赤酒を開発したらどうだ』という助言を受け、料理用の赤酒を開発しました。それから半世紀、プロ向けの調味料酒類として認知され、多くの料亭や日本酒レストランなどで使用していただいています」。一般の家庭でも流通し、赤酒は料理酒としての地位を確立していったといいます。

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 さらに未来へ受け継ぐ使命を持つ謙太郎さんたちは、「赤酒を本来の酒として味わってほしい」という想いから、さまざまなカクテルを提案しています。「pH7.2の微アルカリ性のお酒なので酸の強いもの、甘さが控えめなものと相性が良いんです。アルコール度数も12%と低めで、お酒が弱いという方でもカクテルにすれば親しんでもらえると考えました」。

 おすすめの飲み方は、赤酒・トマトジュースのカクテルと、赤酒・牛乳のカクテル(割合は共に2:1)。トマトジュースを加えるとコクが深まり、牛乳はカルアミルクのような味わいに。炭酸やドライジンジャーエールで割ってレモンを絞るのもおすすめということ。

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 他にも、熊本の老舗洋菓子店「スイス」が赤酒を使ったチョコレートボンボンを作ったり、ラーメン店が赤酒を使ってラーメンを開発したり…、熊本で「赤酒」というワードを目にするのが、酒屋だけではない…というのが、熊本で長く愛されていることを裏付けます。


瑞鷹株式会社ホームページ

https://www.zuiyo.co.jp

<熊本県産 食材&料理酒で一品> 家でできる! 熊本県産の夏の食材をおいしい料理に!

ハモとナスの揚げ出し
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 揚げることでギュッと旨みが増したハモと、出汁を吸ったジューシーなナス。青シソとミョウガが後味をさっぱりにしてくれ、旨みと爽やかさの余韻をいつまでも楽しんでいたい一品です。今回は、東肥赤酒(料理用)を使いました。本伝東肥赤酒やみりんでも、お好みで。


材料(2人分)

骨切り済みのハモ 半身 


ナス 1本

片栗粉 適量

揚げ油 適量

青シソ 5本

ミョウガ 2本

(A)出汁 200ml

(A)醤油 大さじ3と小さじ1(50ml)

(A)赤酒 大さじ1と小さじ2(25ml)



1.Aを合わせて沸騰し、揚げ出しのだしを作っておきます。

2.青シソと茗荷は千切りにして水にさらした後、水気を切ります。

3. 一口大に切ったハモとナスに片栗粉をふり、余計な粉は落とします。

4. 熱した揚げ油で3を揚げます。 

5. 揚げたハモとナスを器にもり、出汁をかけ、2を盛ったら完成です。


ハモご飯
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 ふっくら軟らかいハモは、炙ったことで香ばしさも加わり、滋味深い味わいに。炊いたことでご飯にもハモの旨みがうつり、お茶碗一杯ハモの味わいが楽しめます。簡単なのに料亭のような味わいに驚くこと請け合い! 



材料 3〜5食分

骨切り済みのハモ 1尾分 

米 2合

大葉(千切り) 1〜2枚

針生姜 20g

酒 大さじ1

赤酒  大さじ1


1.ハモはバーナーで炙った後、適当な大きさに切り分けます。

2.炊飯器に、赤酒を入れ、水を規定量まで加え、ハモ、針生姜を入れて炊きます。

3.炊き上がったら茶碗に盛り、大葉の千切りをのせたら完成です。

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