木をたっぷり“甘やかす”農法で、唯一無二の梨を作り続ける 村上果樹園(荒尾市)
熊本の初秋の旬【梨】
全国10位の生産量を誇る熊本県の梨の名産地として知られているのが荒尾市です。有明海からの潮風が吹く立地に恵まれ、明治時代から現在まで、100年以上梨の栽培が続いている歴史のある産地です。今も数多くの梨園で美味しい梨が作られており、特に通常の梨よりも大きく、「荒尾ジャンボなし」として広く知られている「新高」(にいたか)の生産が盛んです。
そんな荒尾梨の農園や直売所が多く並ぶ地域にあるのが「村上果樹園」。村上修平さんがお父さんと共に営む農園です。お祖父さんが戦後にこの地で梨農家を立ち上げて、修平さんはその三代目。とはいえ当初は農園を継ぐつもりは全くなく、普通高校卒業後は東京や福岡で20年近く会社員として働いていたそうです。しかし地元に戻ろうというタイミングで、家業に入ることを決めたといいます。「子どもの頃は、きつそうで暑そうで農家はイヤだと思っていたんですが、自身が農業を始めてみると、梨という作物を育てることの面白さに気づき、年々、梨を愛おしく感じるようになっています」と修平さんは語ります。。

修平さんが就農して約7年(取材時)。修平さんは「梨の木をきちんと可愛がって“甘やかして”あげればあげるほど、実が美味しく美しく育つことに面白さを感じている。梨の実を作るのは、我々農家ではなく梨の木であり、それを育てるのは日の光や水、土といった自然の力。私ができるのは、梨の木が最も喜ぶようにお手入れをすることだけなんです」と語ります。修平さんは、毎日、木々と会話するかのように様子を見ながら、土を変えたり肥料を調整したりと木のご機嫌を取っていきます。古いものでは、お祖父さんの代から40年以上、実をつけ続ける木もあり、我が子の様に1本1本の個性を把握しているという修平さん。その細やかな“お手当て”によって、洗練された甘さを持つ梨が毎年、この農園で生まれています。
7月下旬〜10月上旬の農繁期は、梨の収穫と同時に、農園の直売所での直販の対応も大きな仕事です。同園では完熟した状態で出荷・販売します。修平さんによると「梨は追熟することはないので、新鮮なうちになるべく早く味わって欲しい」とのこと。新鮮であればあるほど、修平さんがこだわって作りだした、フレッシュかつまろやかな梨の甘さをじっくり味わうことができるそうです。
<熊本の初秋の旬>新生姜
<熊本県産の食材を買うなら!>
地元生産者との温かい交流も楽しめる
道の駅きくすい 菊水ロマン館
「菊水ロマン館」は、和水町の地域活性化を目指して作られた施設です。館内では、和水町の高齢者や生産者が手塩にかけて育て、持ち寄った農産物や手作りの加工品が数多く並んでいます。秋はブドウや梨、大秋柿などの果物がオススメです。また、館内の肉料理が人気のレストランもオススメです。
<お買い物オススメポイント>
■豆腐
道の駅内で作られている豆腐は、国産大豆を使用し、にがりで固めて寄せる昔ながらの製法で、香りや風味が豊かだと人気を集めています。
■道の駅きくすい 菊水ロマン館
住所:熊本県玉名郡和水町江田455
電話番号:0968-86-3100
営業時間:9:00-19:00
店休日:年末年始