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【Vol.11】海と山が近く、豊かな栄養が多彩な農業を可能にする【宇土エリア】

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おだやかな有明海の豊富な栄養分を受けた海苔を養殖する、岩本和剛さん(宇土市)

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       宇土市住吉地区で、代々続く海苔養殖を営む岩本和剛さん。若い頃は家を継ぐつもりはなく、東京の家電量販店などに勤めていたという経歴の持ち主です。お父さんが作業中にケガをしてしまい、サポートのために戻ったことをきっかけに、家業に就くことを決めたそうです。以前は箱船での作業でしたが、新しい設備を備えたもぐり船「レッド・フォース号」を新調し、より効率的な養殖に臨んでいます。

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     様々な河川が流れ込む有明海は、穏やかで栄養分豊富なため、色や食感に優れた海苔ができる絶好の立地です。「山が豊かだから海も豊かになる。その両方を享受できるこの環境は、とても恵まれていますね」。養殖は、水深が浅い場所に支柱を立てる「支柱式」と、沖の方で浮きに繋げた網で養殖する「浮き流し式」があります。取材時は、ちょうど浮き流し式の海苔の収穫時期。岩本さんの後輩の船の収穫の様子を見ることができました。船が前へ進みながら網を持ち上げて海苔をカットし、船後方で海苔の品質を確保するための処理剤を自動で散布して網が海に戻っていきます。船が網の下を潜るように動くことから「もぐり船」と言われています。機械化が進んだ、最先端の漁業です。

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     漁期は海水温が下がる10月〜3月頃。「レッド・フォース号」には、収穫したたくさんの海苔が詰まっていました。これを機械で運搬車へと吸い取り、加工場へ運んで海苔へと加工します。船・加工場・海に立てる支柱など膨大な設備が必要な海苔の養殖。取材に伺った2022年度は、過去最悪級の海苔の色落ちに加え、台風で支柱式養殖場が大きな被害を受けた不運の年でした。しかし、同じ宇土市住吉地区の漁師同士で情報交換や助け合いをしながら、なんとか乗り越えようとしています。「住吉地区は代々の海苔養殖業者が多いのですが、皆、仲が良く、横の繋がりの強さも魅力です。地域ぐるみで海苔養殖を盛り上げています」と岩本さん。

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     海苔は入札制のため、より高品質な海苔を作ることが収入にも直結します。岩本さんは、父から受け継いだ方法を元に、新しい設備や周りとの絆を十分に生かしながらより品質の高い海苔づくりに努めています。「海の環境は毎年、同じ年はなく、どんなにベテランの漁師でも『毎年、1年生」というほど。だからこそ、やりがいをもって学び続け、地域一丸となってより良い海苔作りに挑戦し続けています」。


    野菜・果物・海産物と豊富な名産品がそろう「道の駅 うき サンサンうきっ子 宇城彩館」

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     見渡すほどの広大な物産館の中に、3市(宇土市・宇城市・熊本市)1町(美里町)の旬の農産物・海産物が一堂にそろう道の駅。柑橘・メロン・イチゴ・ブドウなどを初めとしたフルーツやトマト・ナスなどの野菜ほか、品ぞろえの豊富さも魅力です。館内には、地元の食材を使ったジェラートを楽しめるショップもあり。

    道の駅うき サンサンうきっ子 宇城彩館
    住所:熊本県宇城市松橋町久具757-3
    電話番号: 0964-34-0377
    営業時間:9:00 ~ 18:00
    休館日:1/1〜3


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