執筆者 : 藤川貴臣
くまもと食・農ネットワーク会員や当サイトをご覧の皆様に、くまもと食・農ネットワーク運営委員の、日頃の地産地消に関する活動や考えをご紹介することで、皆様の更なる地産地消活動への一助にしていただくため、当ネットワークの運営委員によるリレーコラムを掲載しています。
第26回目は、ミカン農家の藤川貴臣さんです。ミカンをつくっている仲間の方達との写真も掲載します。
果樹王国熊本
皆さんは知っていますか?熊本県のミカン生産量は愛媛、和歌山、静岡に次ぐ第4位。他にもデコポンや河内晩柑など多くのカンキツ類を生産する果樹王国なんですよ。 ミカンといってもいろいろありますが、時期によって大まかに分ける事が出来ます。露地では9月から10月にかけて出荷される品種を「極早生」ミカンといいます。熊本県の果樹研究所で育成された「肥のあかり」「豊福」「肥の曙」などがあり、その時期の出荷量は日本一です。まだ残暑が厳しい時期ですので、ほど良い甘さと酸っぱさのバランスがジューシーでのどの渇きを癒してくれます。ミカンの酸っぱさのもとになるクエン酸は疲労回復効果があるとされていて、夏の疲れた体を癒し、初秋に心と身体をリフレッシュするにはもってこいです。 11月になると気温も下がり、暖房が必要になってきます。身体も甘いものを欲してきますので、より味の濃い「早生」ミカンに切り替わります。県で育成された「肥のあすか」という品種があります。今年あたりから店頭に並ぶと思いますので楽しみにしておいてください。 年が明けると「普通」ミカンの登場です。「普通」と呼びますが味は一番濃く、甘くなります。年内に収穫し、貯蔵専用の小屋に、竹で作ったベッドや木の箱に丁寧に並べて貯蔵します。この作業を私たち生産者はミカンを「寝かせる」と言います。温度・湿度に気を配りながら、長いものでは3月まで出荷が続きます。 12月から施設物のデコポンが出荷されていますが、2月になると露地物が出回ってきます。出荷量も増え、デコポン本来の味を楽しむ地元ならではのチャンスが広がります。 4月になると河内晩柑の登場です。全国の生産量の半分近くを占めます。グレープフルーツよりも爽やかでジューシーです。熊本にいるからこそ味わえる地元ならではの果物です。 6月からはハウスミカンの登場です。9月の「極早生」ミカンが始まるまで出荷が続きます。 近年ミカンには「発がん抑制」や「生活習慣病」に対する効果が報告されています。熊本産の大いなる恵みをぜひ探して、楽しんでみてください。
ミカン農家 藤川貴臣

最前列左端が藤川さん
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