執筆者 : 片野 學
くまもと食・農ネットワーク会員や当サイトをご覧の皆様にくまもと食・農ネットワーク運営委員の日頃の地産地消に関する活動や考えをご紹介することで、皆様の更なる地産地消活動への一助にしていただくため、当ネットワークの運営委員によるリレーコラムを掲載しています。
第13回目は、当ネットワーク運営委員の片野學さんです。
「玄米食と学生たち」
私の研究室では、専攻学生諸君ともども、みんなで玄米食を自炊し始めて5年目になります。
学生諸君の普段の昼食は、お湯を沸かして作る具なしインスタントラーメンやカップ麺など、ろくなものではありません。2006年4月、玄米以外の食材は私が購入し、ワイワイがやがやと学生たちと具沢山味噌汁と副食数品を調理して食べる自炊活動が始まりました。
2008年春に肉食禁止の食生活を送ってきたお寺の次男坊が研究室に入ってきたこともあり、以来、玄米菜食メニューが中心になっています。
一週間のレシピもあり、月曜日は焼き魚・やきそば定食、火曜日はカレー定食、水曜日はマーボ豆腐定食、木曜日は麺類と玄米おにぎり定食、金曜日は麦とろ定食を食べています。塩、醤油、酢などの調味料は最高級品、大量に消費する味噌は添加物が少ない良品、出汁の素は使わず、昆布、削り節、いりこ、干ししいたけに若布、炒めるだけの油も一番絞り菜種油、食材は地元スーパーとJA直営店で購入し、地産地消を心がけています。
学生たちに「マナブちゃん食堂」と命名された昼食時間には、専攻学生の他に、調理助手となることを条件にやってくる数人の常連学生もいます。無農薬玄米、五穀玄米、十穀玄米を食べてみたいと希望する学生も歓迎しています。飲み物も自家製です。自慢の糠漬けもあります。
下の写真は、ある日の昼食の内容です。我ながらビックリするほど豪華な彩りの食事です。料理の楽しさ、盛り付けの妙を知れば、肉を使わなくても、豊かな食卓になることが分かります。研究室での自炊をきっかけにアパートで自炊する学生も増えてきました。
私は、玄米を食べることにまったく抵抗を感じない学生諸君の感覚に驚かされ、現代の若者も本当は煮物や大豆料理、さばの味噌煮といった、おふくろの味が好きなんだなあということも教えられました。
東海大学農学部・応用植物科学科・作物学研究室・教授 片野 學