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くまもと食・農ネットワークリレーコラム【第118回 大住 浩蔵 委員】

最終更新日:

 

畳の原料のい草
 

 

 い草栽培における現状と畳の今後

 

                                                         くまもと食・農ネットワーク運営委員

                                八代地域農業協同組合 営農部 部長 大住 浩蔵

 

い草

 

 

 八代地方は畳の原料となるい草栽培が盛んで、日本一の栽培面積を有し、国内のシェアは約98%となっている。い草栽培の歴史は古く1505年に栽培が始まったといわれている。それから長きにわたり品種改良、機械の導入、栽培技術の革新等が行われて、平成元年(1989年)には作付面積約5,400ha、生産農家約4,400戸まで拡大した。しかし、平成30年(2018年)には作付面積約506ha生産農家421戸と、約10分の1に減少した。要因としては、中国産の安い畳表の輸入(国産から中国産へ)、住宅の洋風化によるフローリングの増加(畳離れ)、また和紙製や樹脂製の工業表の流通の拡大(い草畳表から工業表へ)等により国産畳表の需要が減少、また価格低迷に繋がった為に、露地野菜への転換や離農が増え、現在の栽培面積となっている。今後、どのようにして面積を維持していくかが、これからの課題となっている。

 

 

 面積維持の課題として、い草栽培に必要となる機械の確保についてだが、これだけ面積が減少すれば機械メーカーも産地の要望はあるにしても再生産は厳しい状況にあった。そんな中、生産者の強い要望と、国を中心にした行政との協力等によって、機械メーカーに、国産い草産地維持の為とご理解をいただき、再生産が決定した。

 

 

 もうひとつの重要な課題が畳の需要の拡大である。前段で話した通り畳離れ、特に国産畳の需要が近年減少している。さて、い草畳にこんな機能があるのをご存知だろうか?
 1.空気清浄作用/2. 保温・断熱効果/3. 吸・放湿作用/4. 吸音・防音作用/5. 弾力性/6. 鎮静効果
 現在、色々なイベントに参加し、畳本来の良さと機能性等をパンフレットにして、PR活動を行っている。また、国産畳の良さを分かってもらう為に公共施設(新幹線熊本駅・熊本空港・県立図書館・松濱軒等)、京都府大徳寺大仙院等、県内外で畳の設置や張替えを行っている。

 

 

 日本の古き良き畳文化、また時代に合った畳の使用方法等、い草を守る為にも、皆さんに畳の良さや魅力を理解してもらい、特に子どものころから畳に触れさせる生活を行うことで、今後も長く産地として維持できるよう、頑張りたいと思う。
 

 

畳の間

                                   〈八代産のい草を使った畳の間〉   

 


 

 

 

 

 

 


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