くまもと食・農ネットワーク会員や当サイトをご覧の皆様に、くまもと食・農ネットワーク運営委員の、日頃の地産地消に関する活動や考えをご紹介することで、皆様の更なる地産地消活動への一助にしていただくため、リレーコラムを掲載しています。
第101回目は、フジファーム代表 藤川 貴臣委員です。
【東大みかん愛好会主催 “第2回日本みかんサミット” に参加して】
みかんのシーズンがやってきました。今年も美味しいミカンを消費者の皆さんにお届けしますよ!
台風の被害はなかったものの近年、寒波や夏の干ばつなどが続き今年の生産量は過去最低を更新するのではないかといわれています。そういう中で最盛期と比べ5分の1近くまで減った消費量を増やしていこうという新たな取り組みが行われています。
東大みかん愛好会を知っていますか。東京大学の学生たちが「みかんが好きで好きでたまらない、みかんの消費をもっと増やしてみかん農家の減少に歯止めをかけたい。」そういう思いで立ち上げ、現在は東京をはじめ各地の学生とも連携をとり活動されています。
昨年の8月、温州みかんの誕生の地である鹿児島県長島町で“第1回日本みかんサミット”が全国から約100名のみかんを愛する仲間を集め開催されました。食べるのが好きな人、生産者、流通業者などを集めた会は大いに盛り上がりました。
そして今年9月2,3の両日、愛媛県を抜いて現在みかん生産量日本一の和歌山県で“第2回日本みかんサミット”が開催されました。今回は昨年のメンバーのほか地元生産者を巻き込み、全国の販売業者、JA関係、研究者、技術者、行政担当、そしてパワーアップしたみかんを愛する仲間を加え、約200名が集まりました。みかんに関する様々な課題を話し合う分科会も盛況で、夜は国民宿舎湯浅城を貸し切り深夜までみかん談義が続きました。
この会の特徴はクラウドファンディングを活用し、学生が自主的に運営しているという点です。また日本園芸農業協同組合連合会主催の全国カンキツ研究大会なるものは毎年開催されていますが、JAの枠にとらわれないそして消費者も巻き込んだ取り組みは他にはありません。
この会を通してくまもと食・農ネットワークを考えてみました。生産者、農業関係者、行政が集まり消費拡大、生産量拡大の会議や大会はありますが、消費者を巻き込んだ取り組みは少ないように感じます。食・農ネットワークは既成の枠を取り払った、消費者と生産者が同じ方向を向き日本の食の未来、農業の将来を見つめられる貴重な場ではないかと思います。