くまもと食・農ネットワーク会員や当サイトをご覧の皆様に、くまもと食・農ネットワーク運営委員の、日頃の地産地消に関する活動や考えをご紹介することで、皆様の更なる地産地消活動への一助にしていただくため、当ネットワークの運営委員や関係者によるリレーコラムを掲載しています。
第77回目は、(有)ソルトファーム代表の小出 史さんです。
「ホンモノのシトロンコンフィ(塩レモン)」で暑い夏を乗り切ろう!
昨年夏、「塩レモン」は「塩こうじ」に継ぐブームになり、国産レモンは品薄状態、私が営むソルト・ファーム塩工房にも「塩レモンを作りたいのでお塩を・・・」というお客さんが増え始めた。「切ったレモンを皮ごと塩に付け込み熟成を待つだけ」という簡単レシピだが、丸ごとレモンを使うだけにワックスや防腐剤の不使用のレモン、つまり無農薬のレモンを使うこと、甘みを感じる天然塩を使うことで安心安全まろやかな味の「塩レモン」ができる。と思っていたら、昨年秋、ライフスタイルデザイナーでカリスマ料理人のパトリス・ジュリアンさんとの嬉しい出会いがあり、さらに「塩レモン」の奥深さを学ぶことができたのだ。
パトリスさんはモロッコ生まれのフランス人、外交官として来日したのがきっかけで、現在も日本に住み、熊本の雄大な自然や豊かな食材に深く魅力を感じている。そんな彼の生まれたモロッコこそ、「塩レモン=シトロン・コンフィ」の発祥の地なのだ。
「史さん、今、流行っているのは日本流の塩レモンだよ・・・」と話してくれたので、是非、本物の塩レモンを教えて欲しいとお願いし、昨年11月下旬、パトリスさんの来熊を際にオーガニックレモンとソルト・ファームのお塩を使った「ホンモノのシトロンコンフィ(塩レモン)」のセミナーを開催した。
なんと、本場のシトロンコンフィは、レモンを完全にカットしてしまうのではない。十文字にカットするものの、下の部分を残し、花びらのようになったレモンに塩を詰めて約一ヶ月熟成させる。実は、その塩に僅かに砂糖を加えたり、オイルを加えたりするのだが、それはモロッコの各々の家庭で違う。つまり、日本で梅漬けの味が微妙に違うのと同じように。塩レモンはモロッコの伝統の味として、チキンの煮込みの隠し味やドレッシングなど、さまざまな料理に使われる。
これから日に日に暑さを増していく。この「シトロンコンフィ」は、爽やかな調味料として暑い夏にぴったりかと思う。無農薬レモンにソルト・ファームのお塩、そして、あなたの愛情で美味しい手作り調味料ができるはず!ぜひお試しあれ!