兄弟で糖度・酸味・姿形が優れた柑橘作りにこだわる「吉村果樹園」(宇城市不知火町)
吉村翔陽さん(写真右)、弟:尚貴さん(同左)の兄弟で、父と共にデコポン※「肥の豊」をはじめとした柑橘類の果樹園を営んでいます。兄の翔陽さんは、祖父の代から続く果樹園を継ぐべく農業高校、農業大学で果樹を学んだ後に親元就農。一方で、弟の尚貴さんは、当初、家業に入るつもりはなく、工業高校に進学し就職した後に、兄とほぼ同じタイミングで就農しました。
「農家によって畑へのこだわりが全く違って、それが結果にも直結する。それが、柑橘作りの面白さです」と尚貴さんは農業のやりがいを見出しています。
※デコポン:熊本県果実農業協同組合連合会(JA熊本果実連)の登録商標です。 肥の豊をメインに、みかんや「スイートスプリング」、「麗紅」、「せとか」などの柑橘類を育てる吉村果樹園。「糖度と酸味のバランスが抜群で、果実としての魅力が高いと思う」と翔陽さんはデコポンの魅力を語ります。
育てた肥の豊の中でも、糖度・酸味が基準に達したもののみが、デコポンとしてJA熊本果実連より出荷されます。とくに吉村果樹園のデコポンは品質の高さが評価されており、まだ20代の若い2人に注目が集まっています。
「宇城市の不知火エリアは、穏やかな八代海に面した傾斜地に恵まれている上、水はけが良く、柑橘類には絶好の立地。こんな環境が当たり前に整っているのは贅沢だなと感じます」と翔陽さん。品質が管理しやすいように、肥の豊は全てハウス栽培。果樹へのこだわりを父の背中を見て覚えつつ、周囲の農家やJAなど様々な人に学びながら毎年、栽培を続けています。
糖度・酸味のバランスはもちろん、外皮の美しさや大きさなどの選果基準が地区内でもトップクラスで、デコポンの合格率の高さで評価される受賞歴もあるという吉村兄弟のデコポン。「毎月の病害虫防除はもちろん、肥料や剪定など、どの段階でもとにかく手間暇を掛けています。環境に恵まれているので、あとは努力すれば美味しいものはできる」と自らのこだわりに胸を張る2人。
いつも兄弟一緒に作業を行い、息の合った農業を展開しています。「ずっとこだわり続けないと、トップを目指せない。常に上を見ています」と尚貴さんが語れば、「これからも品質の高いデコポンを多く出荷していきたい」と翔陽さんも意気高く語ってくれました。
将来は法人化やより効率的な畑の展開なども目指し、若いパワーで不知火町の地の惠を生かしたさらなる成長へと走り続けています。
フルーツの里・宇城市豊野町の旬の味覚が勢ぞろい「アグリパーク豊野」
野菜、ブドウ、梨、太秋柿や干し柿などの果物やショウガが名産品の宇城市豊野町。地元で採れた旬のフルーツや野菜が物産館にそろいます。さらに、地元の食材をふんだんに使った手作りの味が人気の「農家ばいきんぐ あぶみ野」や、町産の新鮮なフルーツを使ったスイーツ専門店「パティスリー 太陽の下」など、農産物を美味しく楽しめる飲食店も。
アグリパーク豊野
住所:熊本県宇城市豊野町山崎599
電話番号: 0964-45-2339
営業時間:8:00 ~ 17:00
休館日:年末年始