執筆者 : 中河原 晶
くまもと食・農ネットワーク会員や当サイトをご覧の皆様に、くまもと食・農ネットワーク運営委員の、日頃の地産地消に関する活動や考えをご紹介することで、皆様の更なる地産地消活動への一助にしていただくため、当ネットワークの運営委員によるリレーコラムを掲載しています。
第23回目は、熊本市学校給食植木共同調理場、栄養教諭の中河原晶さんです。

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「地元の恵みで子どもを育てる学校給食」
みなさんこんにちは、熊本市学校給食植木共同調理場の中河原です。学校における食育を推進するために配置された「栄養教諭」として勤務しております。学校における食育の中心は「学校給食」です。子どもの体と心を育てる学校給食に地元産物を活用する想いをお話いたします。 平成20年度に植木町に赴任してすぐのことです。小学生に「植木町では、どんな作物が作られているか知っていますか?」とたずねたことがありました。小学生は元気に「すいか!」「メロン!」と答えます。でも「他には?」とたずねると答えが返ってきません。植木町で、すいかやメロンの栽培が盛んなことは、植木町以外の人でも知っています。学校の隣のビニールハウスで何が作られているのか知らないことを残念に思いました。これから植木町で給食を作るにあたって、植木町でとれた野菜を使い、毎日の給食を通じて子どもたちに伝えたいと考えたのです。 役場で調べてみると、学校給食に使う野菜のほとんどが植木町でも作られていることが分かりました。大豆や小豆も栽培されています。そのことを知って、これからの給食作りが楽しみになりました。そして、昔読んだ物語を思い出したのです。よくばりな王様が、手にふれるものすべてが金にかわる力をさずけられた話です。王様は、喜んで色々なものを金に変えますが、喉が渇いてもお腹がすいても手がふれると金に変ってしまうので、飲んだり食べたりすることができません。よくばりな王様は、水が飲めること、おいしい食べ物が食べられること、それがどんなに豊かで幸せなことか気づきます。子どもたちにも、そのありがたさに気づき、豊かな作物が実る自分の故郷を誇りに思う人に育って欲しいと願って、給食を作っています。
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