執筆者 : 高木 悟
くまもと食・農ネットワーク会員や当サイトをご覧の皆様に、くまもと食・農ネットワーク運営委員の日頃の地産地消に関する活動や考えをご紹介することで、皆様の更なる地産地消活動への一助にしていただくため、当ネットワークの運営委員によるリレーコラムを掲載しています。
第17回目は、当ネットワーク運営委員の高木悟さんです。
「小さな一歩」
私は、今現在野菜の直売所と温泉施設が一体となった所で仕事をしている。以前はまったく違ったものを売る仕事をしていた。
今の仕事についてまだ3年ほどの未熟者である。お客様と生産者との間に入って流通を起こしている。それぞれの“言い分”を、とりあえず
普通の人より理解しているつもりである。
生産者にとって“直売所(物産館)”という販路は非常に魅力的な場所だと思う。自分が作った商品が消費者に直接届くことの喜び、
また、収入にしても自分で値段を決められる。ただ、そこは競争社会、やはり他の人がやっていない努力をした人が、その魅力を
満喫している、ただ現在は同じような販売所が増え、店同士での競争も激しくなっているのが現実だ。
“地産地消”“食育”と言われだし、もう数年が経つ。現実の問題として、なかなか実りのある活動が難しい。私の直売所でも地元の
小・中学校、保育園などに地元で採れた農産物の納入を1年前から始めた。しかしそこは天気、地域に左右される農産物、
なかなか希望の品、量が確保できないのが現実である。作った人の顔がわかる農作物を地元の子どもたちが食べるという
最高のパターン。
その為、その時出品されている農産物の納品を生産者に「○月○日に○キロの野菜を朝8時までに持ってきて!」と言ったように頼む。
「いや~それだけは揃わない」とか、「わかった」などといった会話が飛び交う。品物が揃わなかったら、その日の学校給食に
迷惑をかける為、ミスが許されない。地元の農作物を地元の子どもたちに食べてもらえる・・・両者の笑顔が脳裏をかすめる。
実にやりがいのある仕事だ。理想は半分以上の野菜を搬入できたらいいが、現実はかなり難しい。生産者の朝早くから夜遅くまでの仕事、
また暑い中寒い中での仕事。考えただけで頭が下がる。
今は全てにおいて難問だらけだ。しかし少しずつでも前に進まなければ話は終わる。将来、「昔はこうだった」と胸を張って言えるように、
お客様のため子どもたちのため頑張っていきたい。そう、なにより、農家の方のためにも・・・。
菊陽町総合交流ターミナル さんふれあ直売所“さん彩” 高木 悟
