くまもと食・農ネットワーク会員や当サイトをご覧の皆様に、くまもと食・農ネットワーク運営委員の、日頃の地産地消に関する活動や考えをご紹介することで、皆様の更なる地産地消活動への一助にしていただくため、リレーコラムを掲載しています。
第105回目は、花工房てんすい 代表 西浦 文子さんです。
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「ばあちゃん、つくし掘りに行こう。」と6歳の孫。「まだ小さいかもしれんねー。」と言いながら近くの川の堤防に行きました。1月中旬の寒い午後でした。上草を除き、土を少し掘ると、小さいながらもつくしの赤ちゃんが。「あった!あった!もう1000コ採れたかなー?」「200コはあるね!」数年前から、土の中から掘り出し、素揚げにして食べています。ハカマを纏ったままなので、少し硬いですが、ほろ苦く、春の味です。孫は、スナック菓子みたいにパクパクと食べています。一緒にふきのとうの天ぷらもしましたが、堅いつぼみのせいか思ったより苦いものでした。 この冬、野菜がびっくりする程の高騰でした。秋の長雨、11月の低温などの天候不順がありました。しかし、先日ラジオで聞いた話では、天候に左右された点もあるが、作付面積が以前に比べ20%減少していることも影響しているそうです。私の実家は専業農家で、冬は大根、夏は里芋を作っていました。価格は安定しておらず、低価格のときは収穫をあきらめ、鋤き込んでいました。学生の頃、冬休みは大根、夏休みは里芋の収穫の手伝いで忙しく、「一生、大根と里芋は食べなくてもいい。」と思っていました。 子どもができ、孫もできた今、そうは言っておられません。のっぺ汁に煮しめ、おでんと大活躍の大根と里芋です。残念ながら実家も作付面積20%減の内に入っています。 ひと月ぶりにふきのとうを見に行ったら開いていました。椎茸、ハコベと一緒にかき揚げにしました。1月のあの苦みの強さはどこへやら、春の香りいっぱいのほろ苦いふきのとうでした。自然の苦みやアクを食べて体を目覚めさせ、冬の間に溜まった毒を出し、春を元気に過ごそうと思っています。 |